2006年に公開された映画「ゲド戦記」
主人公のアレンはイケメンな主人公として人気なキャラクターである一方、非常に謎の多い存在でもあります。
劇中冒頭でアレンが”父親を殺した理由”や”影”とは何を意味していたのか、とても曖昧なまま終わっていました。
”父親殺し”という設定や”影”などはなにを意味していたのでしょうか?
そこで今回は映画「ゲド戦記」のアレンが”父親を殺した理由”や”影”の正体、その意味について解説していきます!
【ゲド戦記】アレンが父親を殺した理由のはなぜ?
映画のオープニングは、主人公のアレンが“立派な”王である父を刺してしまうという衝撃的なものでした。
この衝撃的なシーンについては作中では明確な理由が説明されていないため、次のようなさまざまな憶測が上がっています。
- 心のバランスを崩して衝動的に父親を刺した
- 宮崎五郎の父親(宮崎駿)の軋轢を揶揄している
ここからは、この2つの説について考察を含め解説していきます!
心のバランスを崩して衝動的に父親を刺した
引用:https://www.ghibli.jp/works/ged/#frame
まず1つ目の心のバランスを崩したアレンが衝動的に父親を刺したという説について解説します。
アレンは国王である自分の父親のことを尊敬していました。
しかし、自分が陥っていた閉塞感やがんじがらめな気分を抑えきれなくなり、その暴走の矛先が父親となってしまったのです。
個人的にもそういった時期があったのですが、
若い頃などは、特に自分の実力や自分という存在と社会から求められる人物像とのギャップを感じれば感じるほど、周囲の視線や考え方にがんじがらめになってしまいうのはないでしょうか。
そういう状況になると、人によってはどんどんと生きていることが息苦しくなってしまい、その結果自分の周りの全てを壊してしまいたくなるということもあります。
アレンにとって壊してしまいたい対象の象徴が”父親”ということだったのかもしれません。
何もかもが嫌になるといった状態になってしまうと、自分で自分をコントロールすることができなったり、なぜ自分がそんなことをしたのかわからないなど衝動的に動いてしまうこともあると思います。
このシーンはそんな心のバランスが乱れた事による衝動的な行動を端的に表していたのです。
宮崎五郎の父親(宮崎駿)の軋轢を揶揄している
引用:https://www.ghibli.jp/works/ged/#frame
今回「ゲド戦記」を監督したのは宮崎駿の息子の宮崎吾朗さん。
偉大な父親である宮崎駿さんと比較される吾郎さん。
過去のインタビューでは
「思春期は父と比較されることを本当に嫌った。何をしても‘宮崎駿の息子’という声を聞いた。大学もわざと地方に行った。そこではみんな知らないと思っていた。」
引用:https://s.japanese.joins.com/JArticle/144149?sectcode=420&servcode=400
とも話しており、このことからも吾郎監督が駿監督に軋轢を感じていたのは間違いありません。
そういった背景があるからこそ、「ゲド戦記」のアレンと父親の関係が吾郎監督と駿監督の関係を揶揄していて、吾郎監督が「父親を殺したい」という気持ちから描いたと思われても仕方がないのかも知れません。
しかしこの父殺しのシーンの提案者は、吾郎監督ではなく、鈴木プロデューサー。
宮崎吾朗が初めに描いたオープニングの絵コンテは「お母さんがアレンを逃してあげる」というものだったのです。
しかし、鈴木プロデューサーは「映画の冒頭には“アレン”が必要」、「吾朗くんも父親のコンプレックスを払拭しなければ世の中に出られない」という意思のもと、アレンが父親を刺してしまうというオープニングを提案。
吾朗監督はこの提案に対して「え?刺していいんですか?」と初めは驚いていたそう。
しかし一方で「腑に落ちたところも大分あります」とも答えていて、偉大な父親である宮崎駿監督を越えたいという思いも少なからず含まれていたからこそ、印象的なシーンとして描かれたのかも知れませんね。
アレンが剣を持ち去った理由は?
引用:https://www.ghibli.jp/works/ged/#frame
アレンは父親を刺した後、父が持っていた剣を盗み、そのまま逃げるように立ち去りました。
その後のクモとの対決時に、アレンが盗んだ剣は魔法で鍛えられた特別な剣だということが分かりますが、なぜアレンはその剣を盗む必要があったのでしょうか?
この理由については、詳細は明らかになっていません。
しかし、個人的には、殺した父親とはいえ、自分が生まれ育った国から逃げて、逃亡し、1人になると考えた時に誰か人の温かみなどが欲しかったのではないかと考えています。
じゃあ、なんで父親を殺したの?ともなるのですが、
自分をコンロトールすることができず衝動的に父を刺してしまったアレンにとって無意識のうちに、父親の形見とも言える剣を持ち去ったのでしょう。
【ゲド戦記】アレンの影の正体やその後とは?
アレンの父親を殺させたアレンの影ですが、その正体はいったいなんだったのでしょうか?
その正体について解説していきます!
アレンの影の正体
引用:https://www.ghibli.jp/works/ged/#frame
結論からお伝えすると”影”の正体は「自分自身が作り出した虚像」なのです。
映画では影はアレンを追っていましたが、原作で影はアレンではなく、少年時代のハイタカを追っていました。
憎しみや傲慢という心の闇が影となってハイタカを追い続けますが、ハイタカは影が自分の一部であることを悟り、受け入れることで克服します。
ハイタカが憎しみや傲慢という感情だったのに対し、アレンは死への恐怖や自分自身へを失ってしまいそうになる感情が影となり、姿を見せるようになります。
しかし、ハイタカやテルーと出会い、生きることに対して向き合ったことで、影は消えていきました。
つまり、影は自分自身の負の感情が生み出した虚像で、その負の感情に飲み込まれてしまうと自分でも意図しない行動をとってしまうということだったのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は映画「ゲド戦記」のアレンが”父親を殺した理由”や”影”の正体、その意味について解説しました!
・アレンの父親殺しの理由は自分が陥っていた閉塞感やがんじがらめな気分を抑えきれなくなり、その暴走の矛先が父親となってしまったから。
・アレンが剣を持ち去った理由についても、衝動的におこなってしまったから。
・”影”の正体は、「自分自身が作り出した虚像」でした。
曖昧な表現もあり、色々な考え方ができるだけに少し分かりずらいと感じる部分も多かったかも知れませんね!
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※本ページの情報は2021年4月時点のものです。
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