2018年に公開された映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」
進行性筋ジストロフィーという難病を抱える、北海道在住の男性・鹿野靖明を取材したノンフィクション作品です。
本作は、主人公・鹿野靖明さんの半生を中心にして、人間の喜怒哀楽、ありのままの人間同士のせめぎあいが描かれていました。
その様子は、見る人に考えさせる場面がいくつもあったと思います。
そこで今回は、個人的な見解も含め、映画「こんな夜更けにバナナかよ」で伝えたかったことを解説します!
【こんな夜更けにバナナかよ】映画で伝えたかったことやメッセージは?
鹿野靖明と言う人間の魅力
鹿野さんは、自分の欲望や要求には率直であり、周りの人間は、それに振り回される場合もあります。
時にはボランティアと喧嘩をする鹿野さんに、「えっ、こういう態度をとっていいの?」というの声が聞こえそうなほど。
しかし、鹿野さんそういったのふてぶてしい態度が少しも嫌ではなく、何だか好ましく思えてくるから不思議な魅力を持っています。
実に人間らしく、そして生きることに一生懸命な姿に、心が動かされた人も多いのではないでしょうか。
きれいごとではない介助現場の現場について
『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』最高っした!
筋ジストロフィー患者と介護スタッフの日常を描いた作品なんだけど、我儘なんだけど憎めない主人公と振り回されるスタッフ達の笑顔が溢れた幸せな作品でした!
どんな境遇でも全力で生き抜く姿勢は見てて気持ちが良かったし元気が貰えましたー pic.twitter.com/U4iQAL8WNA— メノウ (@menou05note) January 28, 2019
障害者であっても24時間介助がついていれば、少なくともしばらくは生きていくことはできます。
しかし、24時間365日、ひとりになれる時間が一切ない生活というのは耐えられるでしょうか?
人間ですから、食事や睡眠はもちろん、排せつやいろんな欲求の問題もあります。
私だったら、それらすべてを人にゆだねるというのは、今現在では想像できませんし、「ボランティア」でやることも私には無理かもしれません。
もちろん、技術的な難しさもありますが、それよりも精神的な面で難しいと感じてしまいます。
鹿野さんも、もちろんそう言った介護の状況にはストレスを感じていて、人に八つ当たりをする場面もありました。
原作には、ストレスのはけ口となってしまった恋人のインタビューも載せられており、今で言えばDVと言えるほどのものもありました。
往々にして障害者の方は、「いい人」に持ち上げられがちです。
しかし、ボランティアの方々も恐らく、鹿野さんを素直に「いい人」とは全く思っていなかったでしょう。
正直に欲望をさらけ出さなければいけない彼だからこそ、惹かれる部分があったということなのかもしれません。
生きよう、楽しんで生きようとする姿勢
鹿野さんは時に不安定ですが、「生きたい」という強い意志を持っていました。
さらに、「楽しく生きたい」という欲求を実現させようとしています。
鹿野さんがまだ元気な頃は、酒も飲むし、煙草も吸うし、水商売の店にも行っていたと言うのです。
また、結婚(そして離婚)もしており、夜の営みもしていたそう。
劇中でもボランティアの美咲に告白したりと、健常者と同じように恋をしようとしている姿がありましたね!
重度の障害者といえど、幸福を目指し、実現することも可能なんだろうという風に感じましたし、障害=不幸という先入観も見直さなければならないでしょう。
障害者との付き合い方
個人的に、どうしても思ってしまうのが、障害者との付き合い方の難しさ。
勝手な妄想ではありますが、多くの障害者の方は、自分を不幸だと感じておられ、また「自分が迷惑なのでは」というような負のアイデンティティを持っている人も多いと感じています。
「五体不満足」の方のように、割り切った考えを持っている方もいるかもしれませんが、どちらかというと少数派。
「障害者」というくくりで捉えるのではなく、「個」として見なければいけないということを伝えたかったのではないかと思います。
障害の程度も人によって違いますし、何が自尊心を傷つけ、どこまで人に求めるのかは、健常者と呼ばれる人であっても一様ではありません。
聖人扱いもせず、哀れみもせず、公平平等にすることが大事なのではないでしょうか。(とは言うものの、やはり勇気はいると思いますが。。。)
劇中のように、実際にボランティアの立場で、真夜中に起こされて「いいからバナナを食わせろ!もう一本!」と言われたら、 イラっとしない自信はありません。
むしろ、そこで「相手は障害者だからイラっとしてはいけない」というのが間違いで、「こんな夜更けにバナナかよ!」と一言文句を言ってやるのが、お互い公平でいいのかもしれません。
【こんな夜更けにバナナかよ】鹿野本人の感想は?
北海道を代表する、吾らが 大泉洋 さん の新しい映画、
【こんな夜更けにバナナかよ】
原作も沢山積んでるので良かったら見てください (๑˃̵ᴗ˂̵)
~あらすじ~
全身の筋力が徐々に衰えていく進行性筋ジストロフィーという難病を抱える、北海道札幌市在住の鹿野靖明を取材したノンフィクション。 pic.twitter.com/iFZtxqFCKN— 函館栄好堂 丸井今井店 a.k.a.丸井今井の中の本屋さん (@h_eikodo_mi) December 22, 2018
2002年8月12日に、鹿野氏は42歳で逝去しています。
映画はもちろん原作の完成・出版が2003年のため、鹿野さん本人が、出版を見届けることなく生涯を終えています。
そのため、本人の感想をインタビューすることもできてはいないのが現実です。
きっと自由奔放に生きた鹿野さんであれば、映画の演出などにも参加していそうですよね!
ちなみに映画「こんな夜更けにバナナかよ」は書籍が原作の作品ですが、文庫版は二種類あります。
ひとつは、映画の元となった原作といえるもの。
こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち (文春文庫 わ)
もう一つは、映画のノベライズ版です。
ノベライズ版の方がページ数が少なく、お値段も安いですが、鹿野さんのより濃い部分や実際のボランティアの声を知りたい方は文庫版をおすすめです。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、個人的な見解も含め、映画「こんな夜更けにバナナかよ」で伝えたかったことを解説しました!
個人的な意見では今回の作品では
- 鹿野靖明と言う人間の魅力
- きれいごとではない介助現場の現場について
- 生きよう、楽しんで生きようとする姿勢
- 障害者との付き合い方
について見ている人に伝えたかったのではないかと思います。
「こんな夜更けにバナナかよ」について合わせて読みたい記事はこちら!
>>【こんな夜更けにバナナかよ】原作と映画の違いは?実話とあらすじについても
>>【こんな夜更けにバナナかよ】鹿野のその後は?経歴や生涯についても
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※本ページの情報は2021年4月時点のものです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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