2018年に公開された映画「ボヘミアン・ラプソディ」
1970年のクイーン結成から1985年のライヴエイド出演までを描いた伝記映画となっており、クイーンのマネージャーも勤めていたジムビーチがプロデューサーとして参加している作品です。
劇中ではクイーン結成からライブエイドや、フレディーの生涯についてドラマチックに描かれていました。
しかし、そんな「ボヘミアン・ラプソディ」ですが、時系列や細かなところを見てみると史実と違うところ多くあります。
そこで今回は「ボヘミアン・ラプソディ」の史実との違いについてまとめて解説していきます!
【ボヘミアンラプソディ】史実と違うところまとめ!?
フレディは”スマイル”のメンバーと長年の知り合いだった
スマイルのボーカルだったティム
お父様はそれこそティム・ロス!!
知らないことはまだあるんだなぁ…
ジャック・ロスというお名前らしいです…ワオ❣️
#ボヘミアンラプソディ pic.twitter.com/Kd4DlrksTH— みうみう (@3hcRyArcHLN8CUu) April 8, 2019
映画でフレディは両親と喧嘩した後にたまたま行ったライブでブライアンとロジャー、そしてボーカル・ティムで結成された”スマイル”をみることになります。
ちょうどその頃、ボーカルのティムが脱退を表明。
そして、スマイルのファンとなっていたフレディは自分もバンドに参加したいと志願し、ブライアンとロジャーの前でアカペラで曲を披露し、フレディはスマイルのメンバーとなっていました。
しかし、史実では、そのようにトントン拍子で進んでいったわけではありません。
史実ではフレディはずっと前から”スマイル”のファンで、しかもティムとは長年の友人だったのです。
そもそもクイーンの前身である”スマイル”の結成は1968年10月。
当時大学生だったティムとブライアンの2人で始まったバンドが最初だと言われています。
この2人から始まったバンドが学校の掲示板にメンバー募集のチラシを貼り、別のバンドで解散危機に陥っていたロジャーが連絡を取り加入。
そして、1969年にティムが友人でもあったフレディをリハーサルに呼び、ティム達の音楽を聞いたフレディはファンになったのです。
さらにその後”スマイル”は有名ギタリストのジミ・ヘンドリックスなどの前座を務めるまでになり、
徐々に音楽にハマっていったフレディは、自分も”スマイル”のメンバーになりたいという思いが強くなり、
「一緒にバンドをやろう!」としつこくアプローチしていたそう。
また、そんなフレディのしつこいアプローチも初めの頃は、ブライアンたちは本気にしていませんでした。
というのも、フレディは当時美大生として、多くの肖像画や洋服のデザインを手がけ、デザイナーとしても将来も期待されている人物でした。
そのため、ブライアンたちはフレディのアプローチに対して、「目立ちたいだけで、音楽は趣味程度だろう」と感じていたと言われています。
そんなある時、ボーカル兼ベースのティムが方向性の不一致で1970年3月にスマイルを脱退。
そこで、ブライアンは以前からアプローチをしてきていたフレディのことを思い出し、「一緒にやってみるか…」という流れでフレディが加入することになったのです。
ジョン・ディーコンは4人目のメンバーではない
映画ボヘミアン・ラプソディ。フレディ・マーキュリー役のラミ・マレックに目が行きがちですが、ジョン・ディーコンが似すぎて地味にやばい。#ボヘミアン・ラプソディ pic.twitter.com/OsxAAxmWes
— あさぎり (@Asagiri48) December 4, 2018
映画では、1970年のクイーンの初ライブでベーシストとしてジョン・コーディンが登場していました。
しかし、実際はジョンがメンバーとして加入するまでに、6人ものベースが入れ替わり立ち替わり加入していたのです。
映画では、ジョンが加入するまでの描写はほどんどありませんでしたが、
実際にはオーディションがあり、そこでジョンはオーディションに合格して、見事メンバーへ加入することになりました。
ジョンが入ってからは、それまで入れ替わり立ち替わりだったメンバーも、変わることはなくなったそう。
その理由として考えられるのが、ジョンの人柄。
ジョンは非常に思いやりがあり、温厚だったため、業界関係者からも非常に印象が良かったようです。
映画内でもジョンの人柄を表しているシーンはあり、フレディがHIVを告白した際に、涙を流したのはジョンだけで、温情の厚い人物であることを表現していました。
また、ジョン・ディーコンがクイーンのメンバーとして加入したのは1971年2月で、”クイーン”というバンド名での活動自体は1970年から行われていたようですが、正式な”クイーン”結成年はジョンが加入した1971年としているようです。
メアリーとフレディの出会いはブライアンの後だった
ボヘミアン・ラプソディのメアリーて
シングストリートのラフィーナだよね?可愛すぎて 嬉しくなった。 pic.twitter.com/jsnA0mjQ0y— me.* (@loveyxoxom) November 17, 2018
映画では、スマイルのライブを見に行った際にメアリーと出会い、フレディがメアリーの働く店にいき、交際という流れになっていました。
しかし実際には、メアリーに先に声をかけたのはブライアンだと言われています。
そもそも、フレディにメアリーを紹介した人物がブライアン。
ブライアンはフレディがメアリーに対して好意を抱いていることを知っていたらしく、ブライアンからフレディに紹介したのです。
しかし、シャイな性格だったフレディはブディックを訪れても、ほどんど会話はできず、メアリーに笑顔で挨拶することが精一杯だったそう。。。
そしてメアリーを紹介されてから、半年ほど経ってからデートに誘い、意気投合した2人は6年間の同棲生活するまでに至ったのです。
メアリーへの告白シーンはマトリョーシカ方式だった
劇中では、フレディがメアリーにプロポーズするために指輪をプレゼントするシーンがありました。
映画では指輪の入った箱をパカっとあけて指輪を渡していましたが、実際には、箱を開けると次の箱があり、その箱を開けるとまた次の箱が、、、とマトリョーシカ方式で箱が用意されており、その最後の箱に指輪が入っていたそうです。
映画でもかわいらしい部分も見せているフレディですが、実際はもっと陽気な人物だったのかもしれませね。
レコード会社EMIの重役レイ・フォスターは架空の人物
映画ボヘミアン・ラプソディ
EMIのプロデューサー、レイ・フォスター役がマイク・マイヤーズだたっと、先ほど知った次第。
そういう意味で、”あそこ”は相当笑えるシーンになる訳で、もう1度観なおさないと!! pic.twitter.com/0l59Quof8Y— いなりん (@inarin_jp) November 11, 2018
クイーンを発掘した人物であり、”ボヘミアン・ラプソディ”のリリースに反対した、レコード会社EMIの重役レイ・フォスターは架空の人物となっています。
とはいえ、レコード会社のEMIは実在しており、レイ・フォスターのモデルとなった人物が存在することも明らかになっています。
レイ・フォスターのモデルとなった人物は、EMIのロイ・フェザーストーン。
彼も映画同様、クイーンの大ファンでしたが、ボヘミアン・ラプソディの6分にわたる長尺については長すぎると感じでいたようです。
ちなみに、映画「ボヘミアン・ラプソディ」でレイ・レイフォスター役を務めたのはカナダの俳優であるマイク・マイヤーズですが、大きなサングラスやもじゃもじゃの髭のせいで、エンディングになるまで気づかないという人も多かったようです。
ジム・ハットンとの出会いはナイトクラブ
晩酌しながら
「ボヘミアン・ラプソディ」Blu-rayを見てる。
フレディとジム・ハットンのキスシーン、
俺は好きだなぁ…←#ボヘミアンラプソディ pic.twitter.com/QcSfXbrxxi— たかし (@tsob2011) April 16, 2019
ジム・ハットンと出会った場所、お付き合いをはじめた切っ掛け、ジムの職業が事実と違います。
映画では、フレディが主催したパーティの片づけをしていたジムにフレディが話かけたことでジムと知り合い、そして興味を持ったフレディが電話帳でジムを探しだし、再開するという展開になっていました。
しかし、実際の史実とあっているのは、フレディが話かけたシーンのみだと言われています。
映画ではジムはパーティの片づけなどの仕事をしている描写でしたが、実際には、サヴォイ・ホテルに勤務していた美容師で、ジムとフレディが出会ったのはゲイの集まるナイトクラブだったのです。
ゲイが集まるナイトクラブ出会った、フレディとジム。
フレディはジムに対して「一杯ごちそうしたい」と声を掛けたものの、その時、ジムは別のパートナーと一緒に来ていたため、丁寧に断られたそう。
その後フレディは、別のクラブでジムと再会。
フレディはジムにお酒をご馳走し、2人の交際がスタートしたのです。
ちなみに余談ですが、ジムと出会った次の年にフレディはそろデビューアルバムで「I was born to love you」という曲をリリースしていますが、この曲はジムへ捧げられた曲だと言われており、ジム自身も自分への曲だと信じていたと言われています。
家族にはジムを庭師だと紹介した
フレディは生前、一緒に暮らしていたジム・ハットンを両親には「庭師」と紹介していて、カミングアウトしていなかったらしい。同性愛はゾロアスター教で禁じられているから秘密にしなければいけなかったと。ボヘミアン・ラプソディ終盤のあのシーンは、歴史改変ではあるけど、正しい歴史改変だよね… pic.twitter.com/s2CEdSA5RM
— 橋口幸生@コピーライター (@yukio8494) January 11, 2019
映画ではジムと再開した後、家族にジムを紹介するシーンがありました。
その際、フレディをジムに紹介する際に、ジムのことを「友達だ」と言っていましたが、実際には、ジムのことを庭師だと紹介したと言われています。
フレディ低には”ローズ・ガーデン”と呼ばれる大きな庭園があったため、その庭園専用の庭師がいても不思議ではありませんね。
ロジャーはフレディより先にソロデビューしていた
フレディがソロ活動の最中、作曲中にピアノでI Was Born To Love Youを弾きながらハミングで歌うシーン。前回の鑑賞時に切なさで涙が止まらなくなった。もう初めて観た時の様な観劇はきっとできない。だって今では映画の冒頭からラストまでずっとスクリーンが滲んで見えるもの。#ボヘミアンラプソディ pic.twitter.com/C4kHtZ6eu9
— すいせい (@1207KillerQueen) February 5, 2019
映画では中盤で、フレディのソロデビューの話が持ち上がっていました。
あの場面ではマネージャーがクビになったり、メンバー内の危機なども起こっており、非常にシリアスなシーンとなっていました。
しかし、史実では、ソロデビューを先に果たしていたのは、ロジャーとなっています。
ロジャーがソロデビューしたのは1977年、フレディがソロデビューしたのは1985年となっているので、ロジャーが先にソロデビューをしているのです。
ライヴエイドのシーン前では、フレディがソロになるとかでメンバーとの間に亀裂が入り、1対3になり疎遠になった設定でしたが、クイーンは一度も解散したことはありません。
ですが、クイーンとしての活動を休止していたことはありました。1982年の終わり頃から1983年の夏頃までの約1年半です。
この頃は人気の絶頂期は過ぎていて、アルバムを作ってはツアーを繰り返すことに物足りなさを感じていたことやメンバー間での口論などがあったからです。
なお、ライヴエイドがなかったら解散していたかもしれない、とメンバーは思っていたそうです。
フレディは実は優しい性格だった?
今日映画館の予告編で見たけど、新しい007映画の悪役ってラミ・マレックなのね。『ボヘミアン・ラプソディ』でのフレディ役もまだまだ記憶に新しい。あれも泣いたなぁ。この方も強烈な個性で素敵な役者さん。このクセがなんとも好み〜。目が美しいわ〜。 pic.twitter.com/yGbI3x3ORn
— ANIMA (@AnimaBjork) May 28, 2021
劇中では天才フレディが突っ走ってわがままを通したことでフレディ対他の3人という構図になっているようなイメージでした。
実際にフレディは短気なところもあったようですが、曲を作るときに4人でケンカをすることはしょっちゅうで、ブライアンとロジャーが意見の対立で激しくぶつかっていた時に仲介に入っていたのはフレディだったと言われています。
また食事の際に、人数分のフォークがなくて1本足りないとわかると、自分は後でいいからとみんなに先に食べるようにすすめたという逸話も残っています。
そhして、フレディのの性格として大きな部分としてあるのが”同情されるのが嫌い”と”前向きな性格”でした。
フレディは、メディアからのエイズ疑惑に対する報道にも否定し続けました。
その大きな理由として挙げられるのが「同情されたくなかった」という思い。
完璧主義者的な側面を持つフレディにとってスーパースターがエイズにかかったという事実は自分が死ぬまでは絶対に隠し通したかったのかもしれません。
また、エイズに感染した後も、メンバーや周囲の人達を守るために行動したりと亡くなるまで、前向きな性格を貫き通しました。
もしかしたら、自分が理想のスターであるために、少々無理をした行動をとっていたのかもしれませんね!
まとめ
いかがだったでしょうか。
・フレディは”スマイル”のメンバーと長年の知り合いだった
・ジョン・ディーコンは4人目のメンバーではない
・メアリーとフレディの出会いはブライアンの後だった
・レコード会社EMIの重役レイ・フォスターは架空の人物
・ジム・ハットンとの出会いはナイトクラブでジムの職業は美容師だった
・ジムと再開し、家族に紹介するときは恋人ではなく、庭師と紹介した
・ロジャーはフレディより先にソロデビューしていた
・フレディは実はメンバーや周りのことを思う優しい性格だった
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