2004年に 公開された映画「ハウルの動く城」
原作は、イギリスの「魔法使いハウルと火の悪魔」ですが、映画は原作と違うところも多くあります。
時間の制限があったり宮崎駿監督のこだわりもあったりで、なかなかわかりくにいシーンがあったりするのも事実です。
個人的に初めてみた時は「ちょっとわかりにくい。。。な」と思ったところもありました。
そこで今回は映画「ハウルの動く城」のわかりにくいところや映画で伝えたかったことについて解説していきます!
ハウルの動く城は意味がわからないしつまらないと感じるポイントまとめ!
初めて見た人にとっては「ん?」と思う部分も多かったのではないでしょうか?
ここからはわからないと感じやすいポイントをまとめてご紹介します!
戦争の相手や原因は何?
引用:https://www.ghibli.jp/works/howl/#frame
戦争が起きたきっかけとなった出来事は、隣の国の王子が行方不明になったことです。
そしてもともと隣の国と仲が悪かったのかもしれませんが、サリマンのいる国の仕業だと決めつけて戦争が始まったという背景があります。
戦争の原因については映画のラストシーンでもその様子がうかがえます。
サリマンがスパイとして送った犬の「ヒン」が、カカシのカブが隣の国の王子の姿に戻って国に帰っていく様子の映像をサリマンの水晶玉に送ります。
この映像を見たサリマンは文句を言いながらも隣の国の王子が生きていて、彼が国に戻ることを知ります。
そしてサリマンは、「総理大臣と参謀長を呼びなさい。このバカげた戦争を終わらせましょう。」
と小人に言いつけていました。
つまり、隣の国の王子が生存した状態で国に帰れば戦争の引き金となる原因がなくなるということなのです。
また、カカシのカブがソフィーのキスによって隣の国の王子に戻ったとき、荒れ地の魔女は、「あなたは国に帰って戦争でもやめさせなさいな」と王子に言っていました。
そして王子も「そうさせていただきます。戦争が終わりましたらまた伺いましょう。」と言ってました。
こういったことから考えても、戦争が起きた原因は隣の国の王子(カカシのカブ)が行方不明になったからなのです。
サマリンは戦争の黒幕なの?
引用:https://www.ghibli.jp/works/howl/#frame
サリマンは戦争に勝つためにハウルの魔法を見込んで、戦争に協力させようとします。
しかし、ハウルは戦争は嫌いで、憎んでいましたので、サリマンの申し出を拒否します。
サリマンはもともと敵ではないので、サリマンとハウルのやり取りのシーンは必要なのか、とも思えます。
実際、意外とその尺があります。
サリマンは人を強制的に縛り付けるものの象徴として描かれています。
そしてそこには、戦争というものが人に与える影響が描かれています。
戦争でまわりが見えなくなって、大切なものを見失う人と、逆に大切なものが見えてくる人です。
ハウルは、戦争を憎みサリマンを敵にまわしてでも戦争を回避していましたが、ソフィーやカルシファーら家族を守るために最後は戦うのです。
それはサリマンのためではないのです。
ハウルは何のために戦っているの?
引用:https://www.ghibli.jp/works/howl/#frame
はっきりと映画の中ではでていないですが、ハウルが戦っていた相手はサリマンの手下や、他の魔法使いたちです。
個人的にハウルは、戦争をやめさせたくて戦場に行っていたのではないかと思います。
また、ソフィーと花畑にいた時に現れた軍艦に対して、敵味方は関係ない、人殺しめ、ということを言っていました。
このことから、戦争をとめたかったと同時に、戦争をしている者を憎んで、彼等を倒しに戦場へ行っていたようにも感じられます。
また、劇中で、ハウルが「十分に逃げた」というのは、国からの招集を断っているのに正面をきって戦争反対というのを行動に起こしていなかったということではないでしょうか。
自分の代わりにソフィーに王様に会いに行ってもらったということも逃げだったのでは。
そこではっきりサリマンに伝えれたことで、ハウルも変わっていった気がします。
ある本には、ハウルは社会と積極的に関わるのを拒絶しているが、世捨て人にもなりきれない、とあるのでやはり中途半端な態度をとってきたことが「逃げ」であったんだと思います。
ソフィーが若返ったり年老いたりする理由は?
引用:https://www.ghibli.jp/works/howl/#frame
呪いをかけられた当初は本当によぼよぼの90歳の老婆の姿をしていますが、ところどころで50歳くらいになったり、20歳くらいになったりと、若返った容姿になっているシーンがあります。
荒れ地の魔女にかけられた呪いは、ただ年老いる呪いではなく、その時の気持ちを容姿に反映させる呪いだったのです。
ソフィーは、妹と比べ地味で取り柄のない人間だと感じており、自信もありませんでした。
しかし、ハウルやカルシファーらと冒険することにより、心に若さを取り戻していったのです。
また、時に落ち込むと老け込んだりもしていることから、心の変化に応じて若返ったりしていたのです。
ちなみに、荒地の魔女がソフィーにそのような魔法をかけたのは、ハウルに振り向いて欲しかったから。
荒地の魔女とハウルは過去に恋仲関係にありましたが、ハウルに振られてしまったため、ソフィーを老婆に変えて、ソフィーへの興味をなくさせて、自分に興味を持ってもらおうとしていたのです。
荒地の魔女がハウルの心臓を狙う理由は?
引用:https://www.ghibli.jp/works/howl/#frame
荒地の魔女がハウルの心臓を狙う本当の目的は大きく3つあると思われます。
まず1つ考えられるのは、「強大な魔力を手に入れるため」
ハウルは魔法使いとして強大な力を持っていたことから、そんなハウルの心臓を手に入れれば、より強大な魔力を手に入れることができると考えたのではないでしょうか。
2つ目が「若さや美しさを手に入れるため」
荒地の魔女は「若い心臓が好き」と言っていたことや若さや美しさに執着してることから、ハウルの心臓を手に入れて、若さや美しさを手に入れようとしてい多野かもしれません。
3つ目が「ハウルに恋をしていたから」
ハウルの動く城の劇中で、ソフィーが荒地の魔女に対して「恋をしたことがあるか」と聞いていました。
それに対して、荒地の魔女は、「そりゃしたよ。今もしてる」と答えています。
ハウルが荒地の魔女に近付いて逃げ出したことやかつては恋人だった説もあることから
ハウルに対しての恋心によってずっと心臓を狙っていたのかもしれません。
ハウルとマルクルの関係
引用:https://www.ghibli.jp/works/howl/#frame
「ハウルの動く城」のマルクルは、原作小説と映画とで年齢や設定など違う点が多いキャラクターです。
原作では”マルクル”ではなく、「マイケル・フィッシャー」という名前なのです。
この原作のマルクル(マイケル)の出身地は港町のポートヘイブン。
マルクルの母親は彼が産まれてすぐに亡くなってしまい、さらに父親までもが海で亡くなってしまっているのです(職業が漁師だったため)。
両親がいなくなったマルクルを、親戚が引き取ることになるのですが、親戚はそれを拒否します。
それからマルクルは一人暮らしをして生計を立てていこうとしますが、家賃を払える年齢ではなく、家を追い出され、ホームレスに。
ホームレスとなったマルクルは、さまよい続けた挙句、ついに行き場がなくなってしまい、空き家の玄関に寄りかかっていました。
しかし、そんな時、マルクルはその空き家がハウルの城と繋がっていることに気付きます。
それからマルクルはハウルの城に転がり込んで自然と住むようになり、そのままハウルの弟子ということになったのです。
カブの正体やなぜ呪いにかけられた?
引用:https://www.ghibli.jp/works/howl/#frame
カブの正体は「呪いをかけられた隣の国の王子」でした。
当初、ソフィーやマルクルからは、カルシファーが嫌がらないことから死神か悪魔だと思われていました。
しかし、カブの正体は不思議な動くカカシという訳ではなく実は人間で、呪いでカブ頭のカカシにされてしまった隣の国の王子だったのです。
カブには、愛する者にキスをされないと解けない呪いがかけられており、その愛する者こそがソフィーだったのです。
ソフィーのキスによって呪いが解けたカブですが、そもそも呪いをかけた人物は誰だったのでしょうか?
個人的に考えているのは、”サマリン”なのではないかと思われます。
というのも、そもそもこの作品の中で戦争が起こったそもそもの原因はカブ王子が自国へ帰らなかったことが引き金であることが考えられます。
つまり、王子を行方不明にすることで戦争を起こすことになったと考えられるのです。
そう考えると、王宮で戦争の黒幕的な存在として君臨していたサマリンが呪いをかけた可能性が高いと考えられます。
ハウルとソフィーは結婚したの?
引用:https://www.ghibli.jp/works/howl/#frame
映画の終盤でハウルとソフィーの仲睦まじい姿は見ることができていましたが。その後については描かれていませんでした。
ただ、原作についても結婚したのかは曖昧なままとなっています。
しかし、ウルとソフィーは原作では「一緒に暮らそう!」とソフィーはプロポーズに似た言葉を伝えており、事実的には結婚したようです。
「ハウルの動く城」で伝えたいことは?
引用:https://www.ghibli.jp/works/howl/#frame
「ハウルの動く城」で伝えたかったことは、「心の大切さ」、「人は外見ではなく内面」そして「戦争の残酷さ」です。
劇中でも度々出てきた「心臓」は「ハート」つまり、「心」を隠喩しています。
「心」のない人間は、心ない行動により相手を容易に傷つけたりします。
ハウルの描かれ方はそのようになっていて、ソフィーとの出会いによって、その心が取り戻されていく様を描いています。
また、終盤では魔法使いのカブが好青年となった姿を見た魔法使いのサマリンは「人は変わるものね」といったことを言っており、このことからも「心の大切さ」を伝えているのだと思います。
次に、「人は外見ではなく内面」が重要であるということですが、これは、「ソフィーの変化する容姿」で表現されています。
ソフィーは、老婆になってしまうことで悲観もしますが、逆にもう失うものはないということで、吹っ切れていきいきと図々しいくらいの性格になっていきます。
「何かを得るためには何かを失う」ということおもありますが、ソフィーも容姿を失うことによって逆に心を得ることになり、魅力的な心になったのです。
そして、結果的には、呪いの力で容姿も魅力的になったのです。
最後に「戦争は残酷なもの」という点です。
サリマンは野心を持って、王を動かし戦争を行っていました。
しかし、「戦争」という人に対して大きな力を前にして、人の心は大きく変容させられてしまうのです。
これは、従順になるものと抵抗するものの2つが現れるということです。
どこまでも自由で戦争を嫌うハウルが家族のために戦うという場面は、戦争の理由にも欲望にまみれたものと、何かを守るための2つがあるということも言えます。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は映画「ハウルの動く城」のわかりにくいところや映画で伝えたかったことについて解説しました!
時間の制約や、監督のこだわりなどによってわかりにくい部分もありましたが、細かく見ていき、背景を知るともっと作品を楽しめるのではないでしょうか?
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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