2017年に公開の映画「君の膵臓をたべたい」
2016年本屋大賞で第2位となった住野よるの大ヒット同名小説を実写化した作品です。
タイトルにもなっている「君の膵臓をたべたい」
作中でも何度か出てきましたが、明確な意味や理由は説明されていませんでした。
そこで今回は、「君の膵臓をたべたい」のタイトルの意味や作者が伝えたかったことを解説してきます!
【君の膵臓をたべたい】タイトルの本当の意味は?
タイトルの意味は2つあった?
映画のタイトルにもなっている「君の膵臓をたべたい」。
作中では4回登場していました。
- 図書室で本を整理していた春樹に向かって、桜良は「君の膵臓をたべたい」と声をかけた時。
- 桜良は自分が死んだら「膵臓は”僕”が食べてもいいよ。人に食べてもらうと魂がその人の中で生き続けるから」と話した時
- 春樹が桜良に送った最後のメールに「君の膵臓をたべたい」
- 桜良の死後に残された遺書のなかに桜良から春樹に向けて、「君の膵臓をたべたい」
4回の登場にも関わらず、その言葉の真意は、明確に説明されることなく終わってしまいました。
そのため、モヤモヤを抱えた人も多かったのではないでしょうか?
上記でも挙げたように、”膵臓を食べたらその人の中に魂が宿る”と桜良はいっていましたが、それだけの意味だったのでしょうか?
ここからは、原作の小説の解釈も踏まえ、「君の膵臓をたべたい」の意味を読み解いていきたいと思います。
互いに居なければならない存在であることの現れ
「君の膵臓を食べたい」のタイトルの意味は、互いに互いのようになりたいってこと。
桜良は、1人でも強くいた「僕」に憧れ、なりたいと思い、
「僕」は、明るく気丈な、桜良に憧れた。
爪の垢、なんて言葉はありふれている
『膵臓をを食べたい』
2人だけの、メッセージ#君の膵臓 pic.twitter.com/YAhY8PruEy
— イ建太郎 (@tengentoppa1101) August 19, 2018
小説で春樹は次のようなメールを送っています。
僕は君(桜良)のようになりたい 君の爪の垢を煎じて飲みたい
でも僕と君にとってこんなありふれた言葉じゃ駄目だよね、君の膵臓をたべたい
これが桜良が殺されてしまう前に送った最後のメールです。
彼女がこれを読んだのかは分からぬままの状態でしたが、桜良が亡くなって何日後に春樹は桜良の家を訪ねます。
その際、桜良が生前に、春樹に共病文庫を読んでも良いと言っていたことを聞きます。
家族には私の病気の事を唯一知ってる人がいるからその人に共病日記を渡して欲しいと頼んでいた。
桜良の母が春樹に共病日記を渡して春樹が共病日記を読んでいると、終わりのページに遺書が。
そこには桜良も同じように「春樹のようになりたい」と書いてありました。
春樹が桜良を必要としていることを知ったことで、桜良自身を幸せにしてくれたというような内容が書かれています。
最後に春樹と同様に「君の爪の垢を煎じて飲みたい」と書いてあり
こんなありふれた言葉じゃ駄目だよね。君は嫌がるかもしれないけどさ。
私はやっぱり、君の膵臓をたべたい。
と締めくくられてました。
春樹は桜良の母に桜良の携帯を見せて欲しいと頼んで、見てみると、桜良は春樹が送った最後のメールを見ていました。
つまり、「君の膵臓をたべたい」とは春樹と桜良が互いに必要としていて、互いに居なければならない存在であることを言っているのだと思います。
君の中で生き続けたいという思い
「君の膵臓をたべたい」
春が来て桜と出会う→春来(春樹)と
桜良が出会う→春から桜がいなくなる→春樹から桜良がいなくなる→夏が来る「himawari」が咲く pic.twitter.com/eC2h8OVcUX
— yuta (@Yuta_s0408) August 19, 2018
桜良は遺書の中で「君(春樹)のようになりたい」と言っていました。
これは春樹への憧れとともに、君と一緒になりたいという思いがこもっていたのではないでしょうか。
桜良は作中で「膵臓は”僕”が食べてもいいよ。人に食べてもらうと魂がその人の中で生き続けるから」と言っていました。
膵臓を食べることで、その魂がその人の中で生き続ける、つまりいつまでも一緒にいたいという告白をしていたのだと思います。
お互いが「相手になってしまいたい」と思えるほどお互いを認め合い、また、一緒にいたいという思いを端的に表したそんな思いがこの「君の膵臓をたべたい」には込められていたのではないでしょうか。
【君の膵臓をたべたい】作者の伝えたいことや意図は?
原作者である、住野よるさんは「君の膵臓をたべたい」を制作したきっかけとして次のように述べています。
『膵臓』で彼が主人公になったのも、教室の隅っこにいる、あまり自分の意見を言わない子たちの話を書きたいと思ったのがきっかけでした。
目立つ子達もあまり意見を言わない子達も、話してみれば好きにならないとしても認め合えたんじゃないかなと、願ってる部分があるんです。
引用:CINRA.NET
この作品では根暗な少年・春樹とクラスの人気者の桜良が主人公でした。
相対する2人ですが、あるきっかけをもとに、話す機会が増え、そうするうちに、全く別世界にいた人同士でも、お互いを認め合えるそんな存在になっていきました。
また、住野さんは次のようにも述べていました。
・・・無理に認めてあげる必要なんてないとは思います。
でも、互いに傷つけたわけでもないのに嫌ってしまっている相手とか、せめて認めてあげられればいいなと、自分自身に対しても思うんです。
引用:CINRA.NET
ただなんとなく、嫌いとかなんとなく話しづらいからと距離をとっている人でも、それはそれで認めてあげる。
そんな優しさを持って周りの人に接することを伝えたかったのではないでしょうか。
ヒロインの桜良のように、すぐにそんな行動ができるわけではありませんが、少しずつ意識を変えていくことが大事なのかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、「君の膵臓をたべたい」のタイトルの意味や作者が伝えたかったことを解説しました!
タイトルの「君の膵臓をたべたい」には2人だからこそ分かり合える気持ちのこもった意味が込められていたんですね。
また、原作者の住野さんがこの作品を書こうと思ったきっかけも素敵でした。
「君の膵臓をたべたい」について合わせて読みたい記事はこちら!
>>【君の膵臓をたべたい】タイトルの意味や作者が伝えたいこととは?
>>【君の膵臓を食べたい】通り魔をなぜラストにした?伏線や犯人が誰かについても
>>【君の膵臓をたべたい】桜良の病気は1型糖尿病?薬の名前や膵臓癌説についても
>>【君の膵臓をたべたい】ガム君の名前や俳優は?セリフの意味についても
>>【君の膵臓をたべたい】主人公の名前をくん呼びする理由は?伏線や原作との違いについても
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※本ページの情報は2021年4月時点のものです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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