イギリスの児童文学を原作に、米林宏昌監督の長編アニメーション映画「思い出のマーニー」。
喘息の療養のため田舎町に住むことになった杏奈が様々な人と出会うことで成長していく物語。
しかし、その物語の構成上から、「意味不明」「難しい」「つまらない」と感じている人も多いようです。
今回は、思い出のマーニーの意味がわからなくなるポイントと共に、映画で本当に伝えたかったことを解説していきます!
思い出のマーニーは意味がわからない?
全体的に暗くて意味がわからない
「Colorful」の時に味わったような心の痛さ。。暗い。。ジブリ作品はやはりスカッと清涼感あるお話であって欲しいな。「思い出のマーニー」☆6点 #movie pic.twitter.com/WP54QN3KTl
— yanmAn (@feel_force) September 26, 2014
今までのジブリ映画は、主人公は闇があってもどこか前向きで、物語も分かりやすいのが特徴でした。
しかし、思い出のマーニーは、主人公は病んでいて、物語も複雑に進んでいくため、非常にわかりづらい。
大人でも初見で理解するのは難しいと思います。
そのため、途中離脱する人が多くなってしまうのも納得がいきます。
大人でも難しいと感じるストーリーなので、子供なら、間違いなく途中で飽きてしまうでしょう。
また、暗いだけでなく、正直見ていて意味がわからない部分も多かったように感じます。
マーニーと杏奈が出会ってから、お互いのを慰め合うような関係になっていましたね。
ただでさえ、杏奈の病んでいる姿がヒドかったのに、そこにマーニーも加わって、物語が全く入ってきませんでした。
今までのジブリであれば、内容が理解できなくても、兆しが少しづつ見える作品が多いので、飽きることはなかったですが、マーニーは最後の決着まで、間延びしているように感じてしまいました。
内容が難しくて理解できない
ジブリ映画(思い出のマーニー)を見た。。感想は??何か難しいのかなあ!詳しく見ないとわかりにくい。。過去と現在が交差している??・ pic.twitter.com/LmxSGJNPAb
— さんた@大阪・堺市 (@santa21gg) May 2, 2015
思い出のマーニーのストーリーは理解しにくかったりします。
一度視聴しただけだと、思い出のマーニーの意味するところがなかなか理解できませんでした。
物語を複雑で難しいものにしている理由の一つとして、ストーリーの後半での伏線回収される物語形式が挙げられます。
物語の前半ではマーニーの存在が明かされず、そのまま物語が進んでいってしまうので、そこで内容が理解できずに離脱してしまうのでしょう。
また、マーニーの存在や現実か夢かはっきりとしないシーンもあるので、その辺りも内容が理解しにくい部分かと感じています。
思い出のマーニーで本当に伝えたかったこと
自分が愛されていることに気付いて欲しい
鑑賞直後は「ふぅん」。描き出す愛が身近な物すぎて、気づけない部分が多すぎた。でも、後からジワジワと感動の波が押し寄せるんだな、コレが。誰かを認める事の大切さ、何よりも大切な自己肯定、それらを可能にする愛。
映画『思い出のマーニー』 pic.twitter.com/sAtcJSkfi5
— 走り方がアメーバ (@7shirokuro3) July 20, 2014
杏奈は「育ての親」の元で生活する12歳の多感な年頃の少女。
本当の両親は幼い頃に他界しており、その後養護施設での生活を経て、現在の両親の元へやってきたようです。
育ての親に「愛されながら」育ってきた杏奈ですが、自分を養育する事で補助金が出ていることを知り、自分が本当に愛されているかどうかがわからなくなってしまいます。
この辺りは多感な年頃の女の子らしい発想だと思います。
『お金をもらっているから、自分を育てているのではないか。』
『お金をもらっていなかったら、愛してくれないのではないか。』
親は子供に対して無償の愛を注ぐものだと思っている杏奈にとって、「補助金=有償の愛」つまり「偽物の愛」と感じてしまっています。
ただ、『補助金をもらっている事』と『愛されている事』は別です。
血のつながりのない他人を育てていくなんて、並大抵の覚悟ではできません。
そして終盤、杏奈はマーニーとの交流を経て、「誰かに愛される」ということはどういうものかを理解して、自分を愛してくれていた両親、祖母、そして育ての母・頼子の愛情も理解していきます。
「自分が愛されているとは思わない」という少女が自分の生い立ちと向き合い、自分が思っている以上にずっと愛されていた事を知るこの物語。
私たちにも同じように「自分が思っている以上に、自分を愛してくれている人がいる」という事を伝えてくれています。
苦しいのは自分だけじゃない
“だんまり十一(といち)”の生みの親は作画監督の安藤雅司さんでした。実は当初、十一にももっとセリフがあって、「潮の満ち引きに気いつけな」など、杏奈さんを思いやるセリフを言うシーンもあったそうですが、“優しい”言葉をかけてくれる大人は杏奈さん
→続く #思い出のマーニー pic.twitter.com/Q8nsaqPNTG— アンク@金曜ロードSHOW!公式 (@kinro_ntv) July 14, 2017
表情もなく、周りの人とうまくやっていけない杏奈と同じく、無口なおじさん・十一(といち)は、療養にやってきた杏奈が一番最初に、ある意味心を開いた相手。
会話せずとも、杏奈を助けてくれたり、スケッチのためにボートに乗せてもらったりしています。
ボートにも勝手に乗り込んでいるわけではないと思うので、杏奈からお願いした、つまり杏奈が自ら行動するというきっかけを踏み出した重要人物ともとれます。
それとは反対に、ズケズケと土足で心に入ってくる『信子』は杏奈の苦手なタイプ。
根は悪くない少女のようですので、キッカケさえ掴めれば仲良くなれそうなものですが、杏奈はとんでもない悪口を言い放って突っぱねてしまいます。(太っちょ豚!)
自分のコンプレックスに触れられそうになった事で、自分を守るためだったのでしょう。
ただ、この2人のシーンから、一歩でも踏み出せば、ボートから眺める景色のように違う世界が広がっている。
そして、自分の殻に閉じこもっているうちは、すばらしい景色を眺めることはできないということを伝えてくれています。
前を向いて生きることの大切さ
やばい。マーニーのこの優しい笑顔見るだけで涙腺崩壊。思い出し泣き。
私もマーニーに出会えたら過去の自分は救われる気がするんだ。思い出のマーニー。 pic.twitter.com/Jb97UBXsTS— はむ (@usabunusa) August 18, 2014
マーニーは杏奈が想像していたような幸せな少女ではありませんでした。
「幸せそうに見えていた人も幸せではない。」これは杏奈にとっては衝撃的な事実でした。
しかし、 「自分の事が大嫌い、自分は周りとは違うんだ」と、いつも下を向いていた杏奈とは違い、マーニーは常に前を見ています。不幸そうな顔はしていません。
それは、マーニーが「幸せになろうとしていたから」。
お屋敷の中で何があったとしても、「パパやママ、友達が集まるパーティの時、自分はこの世で一番恵まれた女の子だと思う」というマーニーは悲しくも強い少女なのでしょう。
「幸せは自分から掴みにいくもの」と理解していたからこそ、マーニーは常に前を向いていられたのかもしれませんね。
「幸せになろうとするなら、前を向いて生きる」この気持ちを伝えたかったのだと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は思い出のマーニーの意味がわからなくなるポイントと映画で本当に伝えたかったことについてご紹介してきました。
正直、一度見ただけでは難しいので、少し分かりづらい映画にはなっていると思いますが、何回も見れば良さがわかると感じています。
難しいと思って途中で諦めた方も、是非今回ご紹介した内容を参考に見直してみてはいかがでしょうか?
見直した感想なども是非コメントしていただけると嬉しいです^^
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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