2019年に公開された映画「パラサイト 半地下の家族」
本作は、韓国の名匠ポン・ジュノ監督による予測不能のジャンル超越エンターテインメント作品となっています。
そんな作品の中でも特に衝撃的だったのが、終盤のパク家の末っ子ダソンの誕生日パーティの場面。
寄生生活を守ろうと、パーティの途中、意を決したキム家の長男ギウは地下室に下りますが、持っていた水石を落としてしまい、地下住人のグンセの逆襲をくらい、水石で頭を強打。
さらに包丁を持ったグンセはパーティに乱入し、誕生日ケーキを運んでいたギジョンを刺してしまいます。
それをとっさにかばおうとした母チュンスクは、BBQの串でグンセを刺し返し会場は大パニックに。
気絶したダソンを運び出そうとパク社長がキム家の父ギテクに投げさせますが、車のキーが倒れたグンセの下に。
それを取ろうとグンセに近づいたパク社長はその臭いに顔をしかめ、その一瞬の表情を見たギテクは、あろうことかパク社長を刺してしまうのです。
怒涛のラストを迎えた本作ですが、なぜ、ギテクはパク社長を刺してしまったのでしょうか?
また、パク社長を刺した後の父親・ギテクの描写も気なるところでした。
そこで、今回は「パラサイト 半地下の家族」でキム家の父親・ギテクがパク社長を刺した理由やその後の生活について解説していきます!
【パラサイト半地下の家族】父親は最後になぜ刺した?
ギテクがパク社長を刺すまでの経緯
本日の小ネタ。企画初期のタイトルが「デカルコマニー」(左右対称図)だけあって、『パラサイト 半地下の家族』劇中には鏡像が何度か登場する。終盤、同じコスプレで向き合うギテクとドンイクも一種の鏡像といえる。そのほか、劇中の気になるキーワードを33個ピックアップ。#パラサイト公式完全読本 pic.twitter.com/X28oiAM0So
— 岡本敦史 (@motoatsu1980) August 31, 2020
パク家に一家もろとも寄生する事に成功したキム一家。
ある雨の日、留守中のパク家でパーティなど好き放題していたキム一家。
そこへ元・家政婦のムングァンがパク家を訪れ、ストーリーは急展開を迎えます。
家に入ってきたムングァンはパク家の大豪邸の地下には夫・グンセが住んでいることを暴露、そして夫を今後もここで生活させてほしいというのです。
この訴えにキム一家は、寄生生活が脅かされること恐れて追い出そうとします。
しかし、キム家はパク家にそれぞれ他人のふりをして近付いていましたが、その事実をムングァンに知られてしまいます。
その時、パク一家が急に帰宅することになり、争いの末、どうにかムングァン夫婦2人を地下に閉じ込めることに成功。
閉じ込めようとした際に、元家政婦を階段の下へと蹴り落とし負傷したムングァンは帰らぬ人に、ムングァンの夫を縛り上げ地下室に閉じ込められたのでした。
大雨の中、間一髪逃れることができたキム一家は翌日のパク一家の末っ子ダソンの誕生日パーティの準備に駆り出されることに。
パーティの途中、寄生生活を守るため、意を決したキム家の長男ギウは地下室に下ります。
しかし、持っていた水石を落としてしまったことから、地下住人の夫グンセの逆襲にあい、水石で頭を強打され気絶してしまいます。
さらに包丁を持ったグンセはパーティに乱入し、誕生日ケーキを運んでいたギジョンを刺してしまいます。
それをとっさにかばおうとした母チュンスクは、BBQの串でグンセを刺し返し会場は大パニックに。
パーティが大パニックの中、気絶したダソンを運び出そうとパク社長がキム家の父ギテクに投げさせます。
しかし、パニックにより手元が狂ったギテクは鍵を”グンセの遺体の下“へ落としてしまいます。
鍵を取ろうと遺体をひっくり返した際に、グンセの匂いを嗅いで「耐えられない」とでも言うように鼻をつまむパク社長。
その様子を見ていたギテクは、直後にパク社長に近付きそのまま刺殺。
「逃げてもらうために車の鍵を早く渡さないと!」と、数秒前まで考えていたにも関わらず、なぜギテクはパク社長を刺したのでしょうか。
続いて、キム家の父親・ギテクがパク社長を刺した理由について解説していきます。
父親がパク社長を刺した理由は”鼻をつまんだから”
#パラサイト
ギテクの差別に敏感な部分が終始垣間見えるのと所々の伏線が繋がってラストシーンに収束するのが綺麗な形だった。
半地下と格差が韓国においてどういう物なのか調べてから見ると面白いと思う
ネタバレしたいからふせったーしようかな pic.twitter.com/x6TvVrlWkV— Fo0 (@yuyu_Fo0) February 10, 2020
ギテクがパク社長を刺した理由は「鼻をつまんだから」
パク社長はグンセの遺体の下に落ちた車の鍵を取ろうとした際、地下生活をしていたグンゼの匂いを嗅ぎ、とっさに鼻を摘みます。
目の前では、死人や怪我をしている人がいて、さらに、家族だけでも逃がそうと躍起になっている最中、鼻を摘んだのです。
ギテクはその姿に激情。そしてその勢いのまま、パク社長を刺してしまったのです。
パク社長はギテクに対し「古い切り干し大根のような匂い、あるいは地下鉄の乗客の匂い」と表現しており、この言葉を聞いてしまった半地下に住むギテクは静かにそして深い怒りを覚えていました。
消すことができない「匂い」は言わば刻印で、匂いをまとっていた本人は、馴染み過ぎた匂いに気がつくことはなく、無意識のうちに社会的階層を見せつけられていたのです。
下層特有の刻印は別の社会的階層への遷移を妨げ、それが絶望を生み、やがて怒りへと形を変え、パク社長を刺すという行為に発展してしまったのです。
【パラサイト半地下の家族】父親のその後の生活は?
「パラサイト」
地上か地下か。
天国か地獄か。
半地下に暮らす家族が行き着く先は?
どっちに行っても望んだ世界はない。残酷だけどそれが現実。中途半端な半地下にこそ幸せがあったのかも、、。
ブラックな笑いに現実が追いついてしまい、もはや笑えない 笑笑
お帰り、ポン・ジュノ!^_^ pic.twitter.com/OtrozXdAEP
— まさなつ (@miyu0902mh) January 11, 2020
後日、有罪判決を受けたキム一家ですが、長女ギジョンは死亡し、父ギテクはいまだに逃亡中なのだということが明らかになります。
そしてあの豪邸を遠目から観察していたギウはある日、モールス信号によって父ギテクがあの地下室にいることを知ります。
そこからギテクは、いつかこの豪邸を買い取り父を解放する計画を立てるのです。
ちなみに、後遺症を残しながらも豪邸の地下室にいる父を救出するために、最後にギウが立てた計画は「金を儲け、この豪邸を購入し、父を解放する」。
しかし、ポン・ジュノ監督がインタビューで語ったところでは、「ギウの平均年収ではあの家を買うのに547年かかってしまう」とのこと……。
あまりにも儚すぎるラストでした。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は「パラサイト 半地下の家族」でキム家の父親・ギテクがパク社長を刺した理由やその後の生活について解説しました。
予測不能で衝撃的な展開に、目が離せませんでしたね。
今回「パラサイト 半地下の家族」を監修したポン・ジュノ監督は韓国では有名な監督と知られていて、
「殺人の追憶」や「スノーピアサー」、「ほえる犬は噛まない」などの作品も評価を得ています。
今ならU-NEXTで実質無料で見ることができるので、気になった方はぜひ見てみることをお勧めします!
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※本ページの情報は2021年4月時点のものです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
コメント
どうしてもギテクがパク社長を突然殺す動機が分からず、不条理だと思いましたが、その後ギテクがあの地下で、前の長く暮らした男の様に隠れて暮らさせる為だったのかと理解しました。
又社長から半地下の独特な匂いに鼻をつままれ馬鹿にされた事に怒りを覚えたのも事実であろうが、矢張意図的に隠れざるを得なくさせる考えはあったと思う。取り方は観客に委ね、色々あろうか。貧困を取り上げてパラサイトする社会問題と、監督得意のサスペンス調が面白くもあり、リアルに描かれて見応えがあった。