本作は、実話を元に制作された映画ということですが、実話にどの程度基づいた作品になっているのか、また実話との違いについても気になるところですね。
今回は本作が実話なのかついてと、実話との相違点、また制作の裏話についてもご紹介します!
映画「英国王のスピーチ」は実話なのかについて
今作の主人公は吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世。
そして、その吃音の治療にあたった大英帝国構成国出身の平民である言語療法士ライオネル・ローグとの身分差を超えた友情を史実に基づいて描いた物語となっています。
本作に登場してくる、ジョージ6世やライオネル・ローグ、エリザベス妃などは実在しており、創作上、脚本や変更はあるものの、ストーリー自体は史実に基づいたもの。
また本作で描く英国王ジョージ6世は、エリザベス2世の父親にあたり、幼少期のエリザベス2世も
登場しています。
吃音に悩む英国王という設定の映画だったため、映画公開当初女王は本作を「観ない」と言われていました。
しかし、第83回アカデミー賞では作品賞など4部門を受賞するなど、思いの外、外部からの評価が高かったため、エリザベス2世も作品を鑑賞し、作品を気に入ったとコメントを残しているようです。
実際に登場した人物が気に入るということは、史実に基づいた物語ということで間違いなさそうですね。
映画「英国王のスピーチ」実話と相違点
史実に基づいた作品であるものの、脚色や変更を行った部分も存在しており、以下のような部分が実話との相違点と言われています。
ジョージ6世とライオネルローグの出会いの時期について
映画は史実の出来事を数年間に圧縮しています。
映画では1934年に初めて会ったと描かれているジョージ6世とローグですが、史実で二人が最初に会ったのは1920年代。
アルバートは1927年にオーストラリア連邦議会での演説を成功させています。
1934年に設定されたのは、ジョージ6世が吃音を克服しスピーチをした記録が1934年に残っているからかもしれません。
ジョージ6世の吃音と周囲の描写について
ジョージ6世の吃音のひどさは実際よりも誇張されています。
エドワード8世、ウォリス・シンプソン、ジョージ5世が、よりドラマチックな効果演出をするために史実よりもより敵対的に描かれていると言われています。
エドワード8世の退位に関して
イギリスの政治家ウィンストン・チャーチルはジョージ6世を支える立場で、エドワード8世の退位にも反対していないように描かれていますが、史実では逆。
チャーチルは退位させようとする圧力に抵抗するようエドワード8世に奨めたとされています。
ライオネルローグの情報について
ローグは作品中で、父親が醸造業を営んでいたと語っていましたが、実際はローグの父親は醸造業者ではなく、事務員でした。
またローグはジョージ6世の前で下品な言葉遣いをしたことは一度もなく、国王を「バーティ」という愛称で呼んだという事実なかったと言われています。
ローグの尽力に対する謝辞について
1939年に行なわれたジョージ6世のスピーチについて、映画の中では国王はローグの尽力に対してはどのように感謝の気持ちを表すべきかわからないという旨を述べています。
しかし史実においては、国王はこのスピーチが行われるよりも2年前の時点でローグに対して自らの謝意を表しています。
すでに1937年にはジョージ6世は、イギリスの騎士団勲章であるロイヤル・ヴィクトリア勲章をローグに授与していたのです。
「英国王のスピーチ」の裏話
製作までに30年かかった理由
『英国王のスピーチ』の脚本家デヴィッド・サイドラーが英国王ジョージ6世について調べているとき、ジョージ6世のセラピスト、ライオネル・ローグの息子が付けていた日記を見つけました。
デヴィッド・サイドラーは『英国王のスピーチ』製作のためにこの日記を利用しようとしましたが、それには英国王室の許可を取らなければいけなかったのです。
ジョージ6世の妻、エリザベス女王は許可を出すに当たり、自らの存命中には映画を製作しないことを条件と認め、製作までに30年もの期間がかかってしまったのです。
ジョージ6世の死因について
ジョージ6世がスピーチの練習の最中にタバコを吸っていると、“そうやって肺にタバコの煙を送っていては死んでしまう”とローグに忠告されるシーンが映画の中にあります。
ジョージ6世は存命中、1日に20から25本のタバコを吸うことがあったそうで、ジョージ6世は肺がんの手術による合併症のために1952年2月6日、56歳のときに亡くなりました。
「英国王のスピーチ」の時代背景
父であるジョージ5世は、第1次大戦から戦後の困難期,そして後期には「世界恐慌」が発生します。
大貧民になり、大パニックが起きた最中、国王は公正な立憲君主として政治の安定化に努め,王室の威信を保った方です。
その後、王位が兄エドワード8世に継承されるも、1年足らずで退位し、吃音であることは承知の上で、ジョージ6世へと王位が継承されます。
偉大な父の死、また自由奔放な兄、また戦後からの貧困により、国民の不安や不満は高まっている、そんな状況の中でジョージ6世は王位に就きました。
王族であれば仕方がないと思われるかもしれませんが、一般的に考えてもきつい立場ですよね。
そんな中、自分の吃音とも戦いながら立派に国民を奮い立たせるような素晴らしいスピーチをしたジョージ6世は素晴らしい精神の持ち主だということがわかりますね!
まとめ
・映画「英国王のスピーチ」は脚色等はあるものの、基本的には史実に基づいた作品である
・本作は細かな描写や年月等については創作上、脚色や変更してる点がある
・本作制作にあたり、エリザベス女王からん許可が出ず、制作開始が30年ほど遅れた
・ジョージ6世は混沌とした情勢の中、自分の吃音と戦いながら国王としての役割を果たした素晴らしい精神の持ち主
本作は制作上の違いはあるものの、エリザベス2世も高評価をつけており、作品としては間違いなく素晴らしい作品です。本作では、英国王室の情景や、吃音を克服するまでのジョージ6世の葛藤など見所もたくさんあるのでそういった観点からも見てみると面白いですね!
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